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2011年2月6日日曜日

卒業制作展に出展する作品



スパイラルで開催する卒業制作展

出展する作品とコンセプトを少しご紹介します。


人はモノを作る生き物である。

人は石という自然物を石器に作り替えたときから、モノ作りの衝動は今日まで続いてきた。世界にある様々な自然物はモノ作りの衝動大いに揺さぶり、それに伴い生活も豊かになっていった。そして繊維との出会いも人の生活をがらりと変えたモノの一つだ。

自分の身体を守るものは皮膚しかなかった人間は、木や草、毛皮などの繊維との出会いのおかげで皮膚をまもる第二の皮膚とも言うべき衣服というものを手に入れた。自然の動植物から素材を作る。それはとても軽く薄く、そして細く伸ばしたりも出来る。様々な性質を持つ繊維の存在は人の創造力を駆り立てたに違いない。

そして今日僕らは先人達の作り上げたモノの世界で生きている。自ら作らなくても難なく暮らせる時代だ。しかし、モノに溢れた快適な世界を得たが失ったものもある。昔、人と自然はモノ作りというラインで繋がっており、決してその二つは離れない存在だった。人間の進化とともにモノを作るということも合理化され、自然物そのものだった素材は、素材は素材でしかなくなってしまった。その為、自然と人との距離は広がってきてしまったように思う。

この作品では、雑草の繊維からTシャツからまでの素材を固める事で、再度モノとして浮かび上がらせる事が目的である。素材が自然物そのものだったことに思いをはせながら、繊維一本一本を再構築していったモノである。


高須賀活良

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